ペインクリニックについて

第7回 - 無痛息災 肩コリについて

第7回 - 無痛息災 肩コリについて

肩コリは女性が特に多く持っている症状で、ペインクリニックでも腰痛や関節痛のついでに肩コリを訴えられる方が多くいます。なぜ人間は肩コリを起こすのか?腰痛も同じですが人間が直立歩行を獲得して、両腕を自由に使えるようになった代償ともいえます。

上腕は上下左右に自由に動きます。自由に動くため上腕骨は肩甲骨と靭帯や腱で巧妙に繋がれ、腕を動かす時は肩甲骨が常に一緒に動いています。肩甲骨の大部分は筋肉により脊椎に繋ぎとめられていて、この筋肉が肩コリの主役なのです。首〜背中にかけて僧帽筋(そうぼうきん)と呼ばれる大きな筋肉がありその下に肩甲挙筋、大菱形筋、小菱形筋がありこれらの筋肉が肩甲骨を背中につないでいます。これらの筋肉の緊張が持続する動作や姿勢で肩コリが出やすくなります。こった筋肉は緊張して硬くなり、血流低下を起こし老廃物(乳酸)が蓄積します。乳酸が蓄積すると更に筋肉は硬直して血流低下を引き起こします。いわば痛みの悪循環が起こっているのです。そのため筋肉のポンプ作用で乳酸を追い出してやる体操が効果的で、両肩を上にすくめるように上げてから力を抜く体操や肩を大きく回す体操[図①]など、たぶん無意識に行なっていると思います。 また、肩や背中の圧痛のある場所(いわゆるツボ)に局所麻酔薬を注射する方法(トリガーポイント注射)があります。局所麻酔薬の効果は数時間ですが、緊張がとれ血流が増加するため痛みの悪循環が改善され、麻酔薬の効果が切れてもコリは軽減します。

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