ペインクリニックについて

第1回 - 無痛息災?ペインクリニックについて?

第1回 - 無痛息災?ペインクリニックについて?

皆さんはペインクリニックについてご存知ですか。10年前に比べだいぶ市民権を得てきた感じがしますが、循環器科や整形外科などと違ってまだよく理解されていないところがあります。

ペインクリニックを簡単にいえば、痛み(ペイン)をとる専門外来です。

まず、痛みとは?普段の生活でも痛みを感じることがありますね。包丁で指を切った痛み、虫歯の痛み、風邪で喉が痛い等。多くの痛みは体の異常を知らせる信号の役割があります。体にとって有害で危ないですよと知らせてくれなければ怪我や病気に気づかず、危険な状態になってしまうかも知れません。そういう痛みは、原因が取り除かれれば自然と治まっていきます。

ところが、痛み自体が問題となる場合があります。たとえばギックリ腰。かがんだ瞬間にピキッときて動けなくなった経験を持つ方はいませんか?寝返りも痛い、トイレで脂汗を流す、痛み止めを呑んだけれどあまり効かない。こういうときがペインクリニックの出番です。レントゲンで骨折などがなければ椎間関節ブロックや硬膜外ブロックで治療します。ブロック?聞き慣れない言葉が出てきましたね。これが他科との違いです。痛みの治療は、薬物療法(痛み止め内服)理学療法などがありますが、もう一つ効果的な治療法に神経ブロック療法があります。神経ブロックとは痛みの原因になるところに局所麻酔薬を注射して、一時的に神経の働きを遮断(ブロック)するという意味です。痛みが続くと局所の血流が悪くなり、浮腫や痛みを強くする物質が増えます。それが痛みをさらに強くしてしまいます。これを痛みの悪循環と呼びます。神経ブロックは痛みを感じる知覚神経のブロックで痛みを和らげ、血管を収縮させる交感神経のブロックで血流を改善して痛みの悪循環を遮断して自己の治癒する力を促します。つまりその人が持つ自然治癒力を引き出して痛みを改善しようとする治療法です。対象となる病気や神経ブロックは次回お話します。

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